ヨーナス・タムリオーニス Jonas Tamulionis, b1949 “Gloria”

投稿日: カテゴリー: 2ndCD発売記念コンサート in 広島 プログラムについて

2ndCD発売記念コンサート in 広島 プログラムについて①

シグナス代表の佐藤です。先日のコンサートのプログラミングについて、何曲かご紹介したいと思います。このプログラムの中に、シグナスのこれまでの歩みと新しい試みが詰まっています。


オープニングは、リトアニアの作曲家ヨーナス・タムリオーニス(Jonas Tamulionis, b1949)の“Gloria”でしたが、なんとこれは我々シグナスのための書き下ろしの新曲で、この日が世界初演でした。まるで管楽器の合奏のような勇壮な響きと、ミニマルなオスティナートが組み合わされたシンフォニックな作品です。

タムリオーニス氏は現代のリトアニア作曲界の重鎮の一人で、大変な多作家であります。特に合唱、アコーディオン、ギター作品の数々が国際的にも知られていますが、日本ではそこまで有名ではないかもしれません。

なにゆえリトアニア人作曲家に曲を書いてもらえるようになったのか?とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、その経緯をちょっとお話しいたしましょう。


今をさかのぼること16年前、早稲田グリーの演奏旅行でフィンランド・バルト三国を訪問した私は、かの地の合唱のサウンドに惚れ込み、是非バルトの作曲家に自分たちのために新曲を書いてもらいたいと考えていました。そこで指揮者の松原千振先生に推薦してもらい、タムリオーニス氏に委嘱することができたのです。古事記の歌とスウェーデン人の詩人によるラテン語の讃歌を組み合わせた『Natus in curas(苦難の中の御子)』が書かれ、2002年に初演しました。

それから私はタムリオーニス氏と親しくさせてもらうようになり、氏から合唱作品の楽譜を送ってもらったり、氏が欲しがっていた日本の楽器や品物などを贈ったりといった交流を続けていました。2008年には再度新曲を委嘱し、早稲田グリー創立百周年の記念に『Hototogisu』という男声合唱曲を書いてもらっています。


2年ほど前、氏からこんなメールが届きました。

「日本のとある小説を題材としたオペラを構想中なのだが、リトアニアではどうしても原語(日本語)の書籍を手に入れることができない。もし手に入れば送ってくれないだろうか?」

その作品が何だったか今では思い出せないのですが、本はすぐにネットで購入でき、氏に航空便で送ってあげました。

しばらくすると、氏からいたく興奮したメールが届き、「本が届いた!ありがとう!心から感謝するよ!お礼に何か曲を書いてあげたいけど、いらないかい?」と書いてあるではないですか。メールを読んでこちらが大興奮です。まさかそんなサラッと曲を献呈してくれるとは (笑)。

コンサートのオープニングにふさわしい曲を探していた私は、シグナスのためにファンファーレのような華やかな曲が欲しい、と伝えました。あの約束は社交辞令などではなく、昨年の夏、この“Gloria”が完成し、私のもとに送られてきたのです。

これもまた人の縁、どんなことが起こるかわからないものです。シグナスで活動していると人とのつながりの面白さをいつもひしひしと感じます。

ちなみにタムリオーニス氏について詳しくは以下をご参照ください。住所もメールアドレスも記載されており、また氏の作品の楽譜をたくさん閲覧できます。

https://www.scoreexchange.com/profiles/JonasTamulionis

ちょっと、と言いながらえらくベラベラと語ってしまいました。

最初の1曲の紹介でこれは長すぎる、とも思ったあなた。安心してください、次回はあっさりしている(はず)ですよ。

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